当センター皮膚科外来では従来の皮膚科一般診療(水曜と木曜の午前)のみならず、特殊な機器や技術を要する皮膚疾患や耳道疾患に対応するため、以下の特殊診療外来を設立することになりました。
犬猫のアレルギー性皮膚疾患ではかゆみや皮膚炎に対する治療のみならず、原因アレルゲンの回避やアレルゲンを用いた免疫療法も有効な管理法となります。本外来では外部委託によるアレルギー検査のみならず、多抗原を用いたアレルゲン皮内反応(図)を院内で実施することにより、より正確かつ迅速なアレルギー検査を行います。そしてアレルギー検査の結果に基づいて、アレルギー減感作療法や舌下免疫療法を行うための適切な抗原液を選択し、飼い主様ならびに紹介医様に最適な管理法をご提案します。
天疱瘡や自己免疫性表皮下水疱症などの自己免疫疾患は治療が困難なだけでなく、正確な診断を行うためには免疫蛍光抗体法(図)などの特殊な検査が必要となります。当院皮膚科は犬猫の自己免疫性皮膚疾患の診断・治療に対する豊富な経験と実績であり、特殊検査を用いてより正確な診断を行うと共に、飼い主様ならびに紹介医様に最適な治療法をご提案します。
犬の外耳炎は慢性化すると治療が困難となるだけでなく、悪化すると中耳炎へと波及することも少なくありません。また猫の耳道疾患では中耳に異常を認めることが多く、特殊機器を用いた正確な診断と治療が必要となります。本外来では放射線科との併診により、CT検査やMRI検査で外耳道~中耳の正確な評価を行うとともに、オトスコープ(耳道硬性内視鏡)を用いて耳道の詳細な観察ならびに目視下による治療を行い、適切な日常の管理法を飼い主様ならびに紹介医様にご提案します。また耳道内にポリープ(図)を認める症例に対しては、症例への侵襲が少ない内視鏡的ポリープ切除やレーザー療法も積極的に行なっています。
西藤 公司 診療科外来長、アジア獣医皮膚科専門医
大隅 尊史 アジア獣医皮膚科専門医協会レジデント修了者
・日本獣医皮膚科学会認定医
島崎洋太郎 アジア獣医皮膚科専門医協会レジデント